ノロウイルス感染症の感染経路
ノロウイルスによる「感染性胃腸炎」は、いわばお腹の風邪です。もともと気道感染による疾患であり、別名で「お腹の風邪」という場合があるのです。微熱があり、嘔吐や下痢症状がある場合がそれにあたります。
ウイルス性の腸炎は、集団発生するという点も含めノロウイルスが多くなっているのが実情です。
ノロウイルス以外で消化管に感染するウイルスもあるのですが、それは小児に多いロタウイルス、結膜炎の原因となるアデノウイルスなどです。
さて、ノロウイルスの症状ですが、通常は1~2日続き、その後で次第に治癒していきます。各人によって症状の程度はいろいろですが、重くなるとかなり辛いことになります。
ノロウイルスの感染経路として可能性が高いいのは、食べ物や食器からの経口感染です。食材でウイルスを溜め込むと指摘されやすいのがカキ、アサリ、シジミなどの二枚貝です。それはウイルスが貝の体内で増殖するからではありません。
実際は海水中のウイルスが体内で濃縮、蓄積されるからで、貝は大量の海水を取り込んでプランクトンなどのエサも体内に蓄積しています。これら貝の肉を食べるのもそうですが、表面にウイルスが付着していることもありますから、食器や手から感染する可能性もあります。
井戸水などもウイルスで汚染されている可能性があります。飲めば当然経口感染します。井戸水を使っている飲食店はこうした衛生管理が非常に重要になってきます。
更には患者からの伝染もあります。飲食物から感染した患者、その患者から感染した次の患者、というように累進的に増加します。
ノロウイルスが含まれた便や吐物、人の手などから二次感染につながります。嘔吐した子供の嘔吐物の始末をした手は、しっかり洗浄しないと、目に見えない一部少量が広範囲に飛び散ってしまいます。手洗い不十分で調理した食べ物などは非常に危険です。実際にこのようなごく微量のウイルスの感染で流行するのです。